街で君の唄を聞いた


「…お口に合いませんか?お嬢様」

「!?」



どうしたゃったのコイツ!
何かいきなりお嬢様とか呼んできたよ!何プレイだよ!

しかも何か申し訳無さそうな顔して…!
お前演技力半端ねぇよ!



「それより、踊りたいのですか?」

「踊り…?何のこと?」

「お手をどうぞ、お嬢様」



…何、今日。
もしかして、これ一種の厄日?

ってか踊りってマジで何のこと?
まさかこれからダンスするんじゃないだろうな!?

無理無理無理無理!
あたし踊ったこと無い!



「ぅ、わっ!」



グイッと手を引かれ、下を見れば優雅な音楽に合わせて踊る人達。
あ、クレイアさん、カヅムと踊ってる。
抜け目ねーなー。

じゃなくて!!



「私と一曲、踊っていただけますか?」

「ホント何キャラだよお前!つかマジであたし踊れないから!」

「エスコートしますから」

「エスコートも何もねーよ!マジで無理なんだってば、あ!?」

「なら無理にでも」

「お姫様だっこやめろって!何でそんなに踊りたいんだよお前は!」

「他の女性が私と踊りたいとせがんで来るからです。…………もう一つはお前を護るため、だけど」

「は?」

「さあ行きましょうか」

「おまっ、ちょっ!」



強制連行ぅぅう!!
どこかのお姉様だったら“あぁん、強引なところもス・テ・キ!”とか言ってるに違いねぇぇぇえ!

うわ、自分で思っといてキモかった。
ゲロ吐きそう。

いやいやいや、にしてもホントに無理!
絶対足踏む!しかも今ヒールだからピンで踏みそう!

踏んだらマジでごめんなさい!

でも強制連行したヴィーノもヴィーノだからなああああ!!