イラつきながらも従うあたしは馬鹿と言えよう。
まぁ敵船が潰れてくれるのなら、それはそれでいいけどさ。
別に溺れても知らないしー。
例え陸地に着いたとしても捕まるだけだから知ーらない。
シャッと音を立てて引き抜かれた剣。
突き刺すように船に船に向ける。
「我は契約印を濃くし、光々しさを放ちて、線を描け」
“セルイエ”
ゴゥッ、なんて音はそうそう聞かない。
が、今超間近で聞きました。
だって、そんなの、ねぇ?
目の前にはでかい穴。
上では何があったと言わんばかりの声。
なんだかとんでもないことをやらかした気分で、胸糞悪い。
「ほぅわっ!?」
「黙ってろ」
ふわっと上に、何故か上に!
敵居ますよねぇ!?
「!?お前等ッ、あの船の奴等か!?」
「誰かお頭に伝えろ!!」
「優雅に女も連れてつれて来やがった!」
「いや男か!?」
「男好きの奴等!?」
ブチッ
あれ?何か切れた音がしたな!
堪忍袋じゃないんじゃない気がする!
…なんて、楽しい考えなんて、無い。
ヴィーノに下ろしてもらった瞬間。
ドスッ
「俺は男じゃねぇ…。ここにいる奴等全員殺す…!」
全員がヒッと声を上げると、見る見るうちに真っ青になっていく。
ふん、手前ぇ等の事なんぞ知るか。
女を馬鹿にした罪は重いぜ?…
「たかが女だ!ビビるんじゃねぇ!!」
近付いてきた大男は、斧を大きく振り上げた。
「たかが…女?」
「!?」
「ハッ。馬鹿にしてんじゃねぇよ。普通の女だったらこんなとこいねぇっつの」
「ぐあっ!!」
「振りがでけぇんだよ。隙だらけすぎて相手にならない」
手首を掴んで、思い切り投げるとものすんごく気持ちがいい。
特に、遠くまで飛ばした時とか、ね。
