街で君の唄を聞いた


そしてこちらをジーっと顔を覗き込む様に見てくる。
いや、実際覗いてるんだけど。
そしたら一瞬、ほんの一瞬だったけど、驚いた顔をした。



「茶色い目…見たこと無い…」

「え、マジか」

「ここで…茶色い目の人…いない、から…」

「――確かに、この世界には茶色い目の持ち主は居ないな」

「何で?」

「俺が知るか」



…。

ぶ ん 殴 り て ぇ 。

くっそ!ガチでこいつ一発殴りてぇ!!
余裕な笑み浮かべやがって!

人の心が読めるからってニヤニヤすんなちくしょーめ!
気持ち悪ぃぞ!



「あ」

「どした?」

「…此処入って、いい?」



シェランが指差して言った所は、武器屋。

…え、武器屋?
や、こんなに可愛くても戦うって事は解るんだけど…。

いや、流石に、ねぇ?



「うん、いいけど…」

「じゃー…レイヒも一緒に、来て…」

「うん。あ、ラグアス、お前金払えや」

「…そんな事だろうとは思った…」

「ハイ決定ー。…たのもーッ!!」



そう言ってドアをバンッとでかい音を立てて入った。
勿論、店の中に居た人達は、一斉に此方を向く。

シェランとラグアスは唖然。

それもそうか…。
普通、女が武器屋にそうそう入るもんじゃないし、増してやその女が“たのもー!”なんて…。


いや、此処は身構えて。



「で、シェラン。何が欲しい?」

「…あ、うん。短剣と甲ついた手袋、かっこ仕込み針入りの…」



わざわざかっこって言わなくも…。



「あー…すいません。今言ったヤツ、下さい。今すぐ。ツケはコイツで」

「…ホンット人使い荒いよなぁ…。ま、いいけどな」

「あ、コッチ急いでるから、早くね」



いそいそと用意する店員さん。

何かちょっとビビってるけど、まあ敢えてそこはスルーしておこう。



「おい、最近海で何か海賊が暴れてるらしいんだが…お前知ってるか?」

「…あぁ!バレンシアっていう海賊らしいぜ。俺もよくは知らねーんだがよ、なぁんか、船見かけたら直ぐに大砲で撃ってくるらしい」