街で君の唄を聞いた


…はあぁぁぁぁぁあ…。

にしても女の子でよかったぁぁあ!
マジで男ばっかでむさ苦しかった。
だって流石に爽やかでも…ねぇ?



「…初めまして」

「え?あ、あぁ、初めまして」

「…自分の……力、は…氷(ウェルプ)……名前は…………zZ」

「寝た!?名前言わなきゃ駄目だろ!起きろ起きろー」



軽くペチペチと頬を叩くと、“あ”、と声を上げて上を向いた。
何とも…眠そうな顔だ。

目が半開き。すげぇ。



「名前…は、シェラン=ヒルタニア…」

「ん、シェランか。宜しく」

「貴方は…?」

「神志 冷灯。冷灯でいいよ」

「解った…」



何この人、可愛い。
不覚にもちょっと微笑んだのがきゅーんて、きゅーんってしちまった。
同性にそういう趣味は無いけど、何か抱き枕にしたい。



「そっちは…?」

「あぁ、コイツ等は後の移動の際に紹介するよ」

「どうでもええような言い方せんといて…。地味に傷付いた…」

「変態は黙っとけ」

「酷ッ!!」



ふ、シェランを変態に着いて行かせない為さ。
妹みたいに可愛いシェランを、放っておくわけにはいかない。
あれだ、知らない人には着いて行っては駄目要素。

別に知らない人ってわけじゃないけど!



「所で君達は、もう発ってしまうのかい?」

「早めに捜さないといけませんから、今日の夕刻辺りには此処を発とうと思っております」

「そうか。次はどちらの大陸へ?」

「西大陸へと思っております」

「そうか。東大陸の皇子からはもう手紙は出しているとは思うが、私からも伝えたいことがあるのでな、君達がそちらへ行くということを書いておこう。あと西大陸への為の特別船を出しておくようにする」

「有り難く申し上げます」



話し終わって王室から出た後、身支度を整えようと動き出した。
が。

くいくい、と袖を引っ張るような感じ。
シェランが袖を引っ張っていた。



「どした?」

「何しに…行くの?」

「ちょっと荷物纏めに。シェランは荷物持ってこないの?」

「持って行く…けど…どこいればいいの?」