街で君の唄を聞いた



…ぃ…

…ぉ……



風に乗って幻聴が聞こえてきました。

何だかんだ、慣れたけど。



「…あたしが独りの時しか現れない。居るとしても、夢の中。そうだろ?」

「ピンポンピンポーン!冷灯は此処に来て頭良くなったんじゃないか?」

「で?何の用?そろそろあたしに会いに来てる理由が知りたいんだけど」



あたしだけとは限らないかもしれないけど、何故何時も独りの時や、夢の中だけなんだと思う。
バレてはいけない、なんてことはないと思うし…。


―…ってか、名前知らん。



「ははっ。冷灯に会いに来てる理由さ、心配だからなんだよなぁ」

「…心配?」

「そ。だって冷灯の世界から見たらこの世界は異世界。勿論同様にこっちの世界から見たら冷灯の世界は異世界。だから何か困る事ーとか不安ーとか無いのかなと思って」

「ねぇな」

「…即答か」



あたしの心配とか、世界の事じゃなくて、あたしはコイツの事が知りたい。何よりも。

だってあたしが知ってんのって、コイツが(自称)神なだけじゃん。
羽なんてもんは生えてねぇけど、神なら逆に、尚更気になるんだよ。

いつもはどこに居るんだとか、何で神なのかとか、お前には名前があるのかとかさ…。


兎に角聞きたいことが山ほどあんだよ。



「…冷灯はまだ知るべき時じゃないから教えない。それだけなんだよ」

「焦らすなよ!!」

「絶対教えるから、その時まで」

「あっ、ちょっ!」



ふわりと神は消えた。

空気に溶け込んだかのようだ。


…あたしは納得いかなかった。