街で君の唄を聞いた


…と、そこで見つけた物。

ふと足を止めてよく見てみると、視力がバリバリ良いあたしが、思わず目を擦って瞬きを数回する。

誰も支えてない。
勝手に動いている。

視線の先には―――



「水…だよな?」



水が女性象の壺に、吸い込まれるように、移動している。
普通に考えれば、原理として水が地面(池)に落ちる筈だ。

なのに、そんな当たり前を覆してる。


あたしが驚いていたことに気付いたのか、コルクが「あぁ」と声を漏らした。



「南大陸は、岩や地面に不思議な力が自然に入っているから、ちょーっと弄っただけで、少しだけ力が入ってる水は、逆方向に行くんだよね。平気で常識を覆すからな、此処」

「力って、どんな?」

「解んない。けど今研究してる筈だよ。長年かけて研究してるっぽいから」



へぇー…。
南大陸すげぇな。

東大陸には無いのか?
あ、あったら既に何かに使ってるか。




…ドッ ドッ ドッ ドッ


…?



ドドドドドド…



うわー、嫌な予感しかしねー。
ここは敢えて。



「後は任せた、レザ」

「ちょ、え、何!?」

「せいっ!」

「痛ーッ!!いきなり何すんねんレイヒちゃん!俺何かし………た……?」



ピュウンッ…



F1レースか、って言えるぐらいの速さと音が、今レザと共に消えました。

そしたら、何か壁が崩れただろう音がして。



「…鬼」

「いや、こーゆーのは普通男にやらせるもんでしょうが。それともラグアス、レザみたいになりたかったか?」

「(…魔王がいる)避けろぐらい言えばいいものを、何であんな目に遭わせるんだ…」

「気まぐれ」

「…」



崩れた方から咳き込む声。
あ、生きてたんだ。良かったな。