街で君の唄を聞いた


駄目だ 一度スイッチを入れたら


止まらない。



「何だよ!!」

「仕様がないだろ!!現実を見ろ!!」

「思いっきりみてるっつの!!」

「見てねぇから言ってんだよ!!」

「じゃあヴィーノもこんな風に俺みたいな感じに出くわしたらどうする!?」

「そんなの無理矢理にでも受け止めて救出するしかねぇだろ!?自分のことは後回しにしてコッチ助けるに決まってんだろ!?」

「じゃあ一生帰れなかったらどうする!?家族も心配してんだぞ!?」

「そしたら帰れないなら帰れないで帰る方法を懸命に探すか、その世界に留まるしかねぇだろ!?」

「留まるっておま「じゃあレイヒちゃん」

「…あ?」

「(何かもう男の子だな…)この世界を救う前に、帰れる方法が見つかったとするよ?レイヒちゃんは彼を助けずに帰る。その間にこの世界が崩壊したらレイヒちゃんのせいになる。選ばれし者が代々英雄と伝えられてきたのに、レイヒちゃんのせいでその英雄達が名を汚す。皆から親しまれていた存在が、妬まれる。呪われ続ける。どう?これ。いい気分になれないでしょ?レイヒちゃんのいた世界に帰ったとしても、罪悪感でいっぱいになるんじゃないかな?」


…ッ。

何これ。何これ何これ何これ。
全部あたしが悪いみたいじゃない。


確かに悪いかもしれないよ?


だけどあたしが帰りたいと思ったら帰っちゃいけないの?
何でよ?
何で私事情を挟みこんじゃいけないの?

も やだ

全てが面倒くさくなってきた。


いっそこの世界で死んでいいんじゃない?


「…頭冷やして…ってオイ!?お前何やってんだよ!?」

「何って 死ぬに決まってんじゃん

「何でそれぐらいで死ぬんだよ!!」

「それぐらい?何がそれぐらいなんだよ。別に俺が死のうと関係ない」

「関係あんだよ!!」

「それはこの世界の為だろ?他に何が関係するっての?」

「お前の家族が悲しむ」

「手前ぇに心配される筋合いはねーよ」


ヴィーノは頭を冷やすと言っていたのに、会話はヒートアップ。
マシンガントーク的な感じの今、
あたし達自身が歯止めを効かせなければ、止まらない。