街で君の唄を聞いた





『南大陸に?俺が?』

『あぁ。最近お前頑張ってるし、あと何かちょっくらあるそうだから』

『ちょっくらって…』







『え!?南大陸に行くの!?いいなぁ〜あたしも行きたいー』

『おいおい、遊びじゃないんや。勘違いすんなや』

『だってさだってさ、海はスッゴい綺麗だっていうし、いいじゃん』

『連れてかないぞ』

『知ってる。じゃあお土産宜しくね』

『お土産目当てか』

『へへっ』







『なぁ、あの場所怪しくないか?』

『確かに…。少し変や…』


『―――そこで何をしている』


『見張ってんだよ。見て判らへんの?オジサン』

『…騎士団か。この場で片付けられるが、今私は暇ではないのでな』

『ハッ。それは口実か?』

『貴様には関係無い』

『(…嫌な奴や)』







『コルクロット!コイツ等どうする!?』

『そのまま放置しておく訳にはいかない!一旦南大陸の王の元へ連れて行くぞ!』

『こんなことをしているなら、自分の場所へ帰ればいいものの…』

『…何やと?』

『今頃あの人が、あの人達がお前等の場所へと向かっているからな!』

『な!?』

『落ち着け!騎士団は皆強いんやから心配無いやろ!!』

『随分とすげぇんだな。平和ボケしてた奴等がそんなんとは思えねーが』

『………王の所へ連れて行くぞ』







『おぉ、有り難い。君達は東大陸の者だったな。此方から一番早い奴を貸そう』

『有り難う御座います』





『王!』

『コルクロット!』

『皆は無事か!?』

『城と城の人達は無事だ。奴等が襲っているのは城じゃないんだ!』

『何だって!?』