街で君の唄を聞いた


「ははは。レイヒちゃんに豪華な物は不似合いだね」

「ハッキリ言うなよ…。若干傷付いた」

「じゃあコレかな?」



コルクが手に取ったのは、あたしが求めていた(?)、メタリックな十字架がが2つ着いている、シンプルなやつ。

一つは白の十字架。
二つ目は黒の逆さまの十字架。

対のような十字架だ。



「…いいな」

「は?」

「レイヒちゃんは水色が似合うんだけど、白と黒も似合うな〜」

「で?」

「これ、いくら?」

「買うの!?」

「うん」



うん、って…!!

シンプル言えど見た目的に高そうだし、財布の中身を空にするっていったけどさ…!
こんなあっさりだったとは…!!

唖然。

多分これはコルクだから出来る事なんだろうな…。

しかも何かもう購入してるし。



「レイヒちゃん、おいで」

「ペットじゃねぇし」

「つけてあげるからー」



ちょいちょい、と手招きされて、ダルそうに歩く。

いきなり背後にまわってきたかと思えば、チャラッ…と音をたてて、さっきのネックレスが首前にきた。



「はい、出来た」

「え?あ、あぁ。有り難う」

「いーえー」



ニッコリと笑ったかと思えば、途端に悲しい眼に変わった。

―――あの時の眼だ。

遠いとこを見ているような、眼。
全てを透かして見ているような感じ。


眼を透明に、硝子にしている。


「…おいコルク」

「…何?」

「どこ見てる」



ヤレヤレと言う感じに首を横に振る。
彼は何がしたいんだろうか。