街で君の唄を聞いた



にしても疲れたなー…。



さっき宿に入って、一泊二日をとった。
勿論部屋はあたしだけ。
アイツ等といたら何されるか分かんない、と考えてた。

一人部屋がいい、って言う前に、コルクとカヅムに、
“絶対にレイヒ(ちゃん)を一人部屋にして、ちゃんとした用が無ければ部屋に入らない事。特にレザとメレナ”…なんて部屋割りの時に言ってた。

つか、こんな奴誰も襲わねーよ。


ベッドに腰掛けて、俯く。

妙にさっきの事が、頭から離れない。
衝撃的過ぎたのかもしれない。


コンコン



「あ〜い…どちら様〜…?」

「あ、俺俺ー」

「俺俺詐欺か。いい度胸だな」

「何やねん、オレオレ詐欺って」

「でー?何の用ー?」

「デートして♪」

「殺すぞ」

「喜んで」

「え、何お前Mだったの?まあ、レザみたいに突進系では無いけどさ」

「えむって何やねん。俺はレイヒちゃんとこの街を巡りたいだけなんやけどー」

「大した用が無いなら、部屋に来ない筈なんだけど。おかしーなー。誰が言ったんだっけー?」

「俺。つか大した用って…。俺だったら街にあるもんだったら、レイヒちゃんの欲しいもの買うたるで?」

「じゃあお前の中身空っぽにしてやるよ」

「レイヒちゃんの仰せのままに」



ガチャ


扉を開けるとコルクが目の前に。
この扉、部屋から引く形式でよかったな。押す形式だったら、顔面直撃だったぞ。

あぁ、それともコイツMだからぶつけた方が嬉しかったのかな?

我ながらSだなぁと思う。



「ほな、行こか」

「ん」



宿を出て色々まわる。

ネックレスとか、指輪とか、さっきのお姉様方が着けそうな物が売ってるけど、派手すぎる物は好みじゃない。

もっとシンプル!
Simple is the best !

そんなジャラジャラしてたら逆に邪魔くさいし、何より無駄だと思う。
やっぱここはシンプルじゃないと!