街で君の唄を聞いた


つかなんかお姉様方泣き出した!
女の涙は防御として扱われるから(?)、流石のヴィーノも、という考えなんて無い。

こんな奴が女性に優しくするなんて、天と地がくっついた時か、もしくは真の魔王出現した時だけだろう。
それぐらい、有り得ない。

たとえかなり優しい笑顔を見たとしても、夢扱いに即決定。
否、夢のまた夢だろう。



「…お詫びに、良いこと教えておくわ…。これは確実な情報…。只、信じるも信じないも貴男次第…だから…」



泣いていた彼女、最初に声を掛けてきた人は、か細い声で話し始めた。



「…此処に来る途中、森を見かけたでしょう?…そこからは毎日同じ人が行き来して、毎晩何か聞こえるの…。…知っているのはこれだけ。……少なくてご免なさい…」

「謝る必要は無いが――情報は持っていたんだな。そこは疑った俺が悪かった。休んだら行こうと思う。………じゃあ」

「…ほ!?は、え、ちょっ!!」



やべぇ夢見たかも。
あ、幻覚?


ヴィーノが謝ったあぁぁぁあ!!
しかもちょっと口角上げて!眉毛少し垂らして!微笑んだ!

嘔吐しそう!(…汚いからやめておくけど!)








「…あ〜やっと抜け出せてスッキリした!俺あぁいう感じの人嫌いなんだよね。もっと清楚な感じがいいっていうかさ!」

「何や、そこはメレナと一緒か。俺も清楚な感じがええなぁー。何か白を汚したい感じ?」

「そこ、下劣な話は止めろ」

「聞いてて不快だ」

「放送禁止用語出そうで怖い」

「でぇへんて!それよか、レイヒちゃんがさっきから違う意味で白いんやけど。魂抜けてる、って感じで」

「こいつさっきからずっとだぞ。只してるのは、呼吸、心臓、手しか動いてねぇぞ」

「…ヴィーノを取られたくなかったから?」

「……………殺すぞレザ」

「おぉう…目覚めて早々にすげぇこと言われたわ」




今何か電源ボタン押された。
しかも変な言葉で。

そして今思うのは、レザをスッゴくつり上がった目で睨んでいるだろう、と。
(普段はつり上がって無いけど)