街で君の唄を聞いた



+冷灯Side




「それじゃあ行ってきます!」

「気をつけてね」



ヴィーノとレザとメレナの傷が、数日経って完治した次の日、選ばれし者を捜すべく旅を決行しようと前々から立てていた。

それが今日です。



「レイヒ様、お城のことは心配なさらないで下さいね!何か遭ったら護身術で下素な野郎共を蹴散らしますから」

「貴女顔と台詞が合ってない。恐ろしいほど似合ってない」

「うふふ。元からこうですのよ?」

「うわぁあマジかよ」

「…おい、そろそろ行くぞ」

「ッチ。じゃあ行ってくるね、レイ」

「はい、行ってらっしゃいませ」




パカパカパカ…




天気は良好、風も気持ちいい、気分は最高潮に達する!

にしても、何で周りが全員男なんだ。

何で選ばれし者の中に女の子がいないんだ。
もっとさ、女の子同士の話とかしたいし!



「…おい、ちゃんと前見ろよ」

「ほわっ!?」

「危ねぇな…。折角コルクに教えてもらったのに、何だそれは」

「今のは前見てなかっただけですーっ」



…はい。

あたしは今一人で、一人で馬に乗ってます。



先日――…。



“コルクー。馬の乗り方、っつか扱い方教えてくれー”

“何でやねん?”

“いや、だって移動手段どうせ馬じゃん?だから皆様には迷惑かけれないので…。いや、ヴィーノに教えて貰おうとしたんだけど、傷負ってるじゃん?だから傷無いコルクに…”

“えぇよー。じゃあレイヒちゃんの馬手配せなアカンな”

“マジか!ありがとー!!”




というわけで、愛馬に乗ってます。

うふふ、マジコイツ可愛い。


白い馬に乗ってみたかったんだよなー。
女の子の憧れ的な。