街で君の唄を聞いた


コンコン

「ヴィーフェル=ノクラムです。失礼します」


やっぱ騎士(なのか?)は礼儀正しいんだなぁ。
その礼儀正しさをあたしに分けてほしい。


「ノクラムか。そこの彼女は?」

「異世界から来た少女です」

「へぇー…!異世界から!名前は?」

「えと 神志 冷灯です」


王子もイケメンという設定か…。
何だコレ。イケメン大好き☆キャハ☆っていう子が考えたら鼻血ダラッダラなんじゃね?
直ぐにバッと駆け寄って、“お名前は何とおっしゃるんですか?”とか上目遣いで言うんだろうなぁ。


…正直キモッ。
あたし死んでもやりたくない。
あ、死んだらできないか。はは。


「…ノクラム、彼女、大丈夫かい?」

「多分…」

「で、まずはレイヒちゃんからなんだけどさ、どしてココに連れてきたの?やっぱ異世界ってのが引っ掛ったから?あ、敬語外していよ」

「そんじゃ遠慮なく。レイヒは俺等みたいに、何かあるんじゃないかって俺が思った。どこかそこらの奴等とは違う感じがしてな」

「ん~そゆ事はティーラスが来ないとわかんない。呼べば直ぐ来ると思…あ」


ドドドドドドド…


バンッッ!!!


「お呼びですかッ!?ジュマルド様ッ!!」

「あーやっぱり。あ」

「え?…おわわわわわっ!!!ススススイマセンヴィーフェルさんっ!!」

「ハハッ。どんまいノクラム」

「…コイツを診てほしい」

「わぁっ 可愛らしい子ですねっ♪」



んんん?もしかしてあたし放置されたままだった?色々くだらん事考えてたからだよね?

「失礼しまーっす」

「んえ?」


あたしより少しデカい彼は、胸と腹の間の手前で両手をかざし、小さな淡く青い光を出した。


…何してんの?