1週間後。 無事に色を塗った絵を 何パターンか描いて、 玲奈さんに渡した。 玲奈さんはすごく喜んでくれて、 私まで嬉しい気持ちになった。 そこまではよかったんだ。 私は幸せだった。 いつの間にか、マスターとの距離も少し縮まって。 私は、浮かれていた。 けど、こんなに上手くいくはずがなかったんだ。 私は何も知らなかった。 タクシーに乗った玲奈さんを見送った後、携帯が鳴った。