腕時計を覗き込むと、 午後4時をまわっていた。 空から降りてくる 白い白い雪が、 地面を 白く白く染めていく。 大通りから脇道に逸れると、 すぐに目に映る喫茶店の扉の前に、 マスターが立っていた。 空を見上げるその姿を、 切り取って、 四角い枠の中に閉じ込めたい衝動に駆られた。 だって、 キレイ。