1月も半ばを過ぎれば、
冬の気配も濃くなってくる。


「ゲッ…雪…。」


空から落ちてくる白い固まりに、
私は思わずそう、一人ごちた。


傘を叩いていた雨音が
次第に静かになっていくのを、
私は眉をしかめて聞いていた。


「ママ!雪だよ!」


マンションから走り出て来た小さな男の子が、
空を見上げてそう言った。


その、キラキラと輝く瞳に、
私は苦笑を漏らす。


そういえば、
小さい頃は雪が降ってくるのが嬉しかった。


いつからだろう。


雪が降ってきて

最悪だ、

なんて思うようになったのは。