次の日、目が覚めた慣れないベット。


私を抱きしめて離さない腕。


穏やかな寝顔。


その左頬に唇を寄せる。


傍にいる。


火なんて怖くないって

言えるように。


「…ん。」


睫毛が揺れて、
その目がうっすら開いた。


「奈津…」


呟いたその顔が幸せそうに緩む。


「ちゃんと…居た…。」


寝ぼけてるのか、
喋り方が舌ったらずだ。


「居るよ。残念ながら。」


答えたら、彼はゆっくり私の体を引き寄せて額に唇を押し当てた。