「本当にごめん。」 「そこまで謝らないでよ。」 そう言って、あたしは隆久の腕を解いた。 呆気なくほどけ、いよいよ最後なんだと思う。 「じゃ……ね。今までありがとう。」 「あぁ。」 一回のありがとうじゃ、言うことが出来ない位、感謝してる。 ただこれ以上迷惑かけたくない。 隆久に笑ってて欲しい。 だから別れるの。 きれいごとだよね? バイバイ隆久。 一生懸命強がった。 泣かないように振り返らなかった。