だから 一番ぬくもりを感じるの。 「ごめんね」 「ええけど、ビンタはあかんで?」 優しい声に、 一定の速度で鳴る鼓動の音。 「だって、裕を傷つけたくないから」 裕の声より、ずっと小さい声のあたしを もう一度自分から抱きしめてくれた。 どうやら、その声をちゃんと耳にしたよう。