心を込めてあなたに嘘を

有り得ない。
あたしは手紙を読んで
呆然としてしまった。
「読んだ?」
「あ、うん。」
綺龍悠雅に声をかけられて
我に戻ったものの、
まだ理解できない。
まずどうして綺龍悠雅の家を
買い取る必要があったのか。
そしてなぜあたしの家に
彼を住ませなきゃならないか。それから
「ここにあたなが居てるのは
わかったけど、何であたしの
事を知ってるの?」
「ああ。さっき檜山って奴から俺に電話があったから。」
「は?」
「あんた檜山って奴
知ってる?」
「まあ。」
知ってるどころじゃない。
檜山はあたしが世界で1番
嫌いな奴らの執事なんだから。これで彼がここにいる理由も
あたしの事を知ってる理由も
わかった。
でももう1つだけ疑問がある。