名前を呼ばれ、 俯いて顔を田辺くんへと向ければ、いつもの笑顔なんてどこにもなく、真剣そのもの。 「...虫が良すぎるかもしれないけど... 言うだけ言わせて欲しいんだ その、俺...」 「ま、待って!!」 ダメだよ、先に 私から言わせて。 大嫌いなこの雨空を もう、後悔の色で見たくないから... あの日のように、 もう一度だけ、 私にこの気持ちを伝えさせてください。