「…そだね」


桜はまた小さく頷いた。


「付き合っては、ないの?」


聞いていいかわからず、ひよりも小声で訪ねる。


「う…うん」


痛いところを突かれて桜は苦い顔をした。


すると、桜の煮え切らない態度に清が苛立ちをあらわにする。


「付き合ってるも同然よ!ってかそれ以上でしょ?」


清に押されてやっと桜が喋り出す。


「だって…」


話そうとしたとき、教室から顔を出すブロンド頭に邪魔される。


「何わめいてんだ?中までまる聞こえ」


調度真後ろから声がしたので、三人は驚いて振り返った。


「玲緒!」


「…クラス一緒だったの?」


清が冷たく言い放つ。


「気づけよ!ちょっとはあ」


「ごめん。私も気づかなかった」


桜も笑ってごまかす。


呆れ顔で玲緒は窓際に肘をついた。


そしてバカにしたような目で笑う。


「秀斗のクラスしか見てないだろ?」


その顔にムッとして桜が言い返す。


「そんなことないよ?翼は でしょ?嵐は 」


「や、そうじゃなくて」


「え?」


「おーい!!萩原あ!」


遮るように廊下から男子生徒声が聞こえる。