『今年ももう新学期始まるのかぁ…』
『今年の新入生はどうた?』
『おい、見ろよ。なんかすげえ長身じゃね?あいつら』
『ああ、中等部で有名だった5人だろ?』



泉陵学園高等部、入学式。


校門をくぐって体育館に続く道が、南校舎と北校舎に挟まれてまっすぐ延びている。


沿道には、もう少し暖かくなれば開花しそうな桜の木のアーチ。


まだ肌寒いその道を、校門を通った新入生たちがぞろぞろと歩いていた。


みんなだいたいが中等部から上がった人ばかり。


そんな中、校舎前、先輩たちの目をひく5人がいた。




「っとにバカだなぁ桜は。よく高等部来れたね―」


4人の男子生徒のうち1人が女子生徒の頭を叩きながらからかう。


「うっさいわね!高等部ぐらい上がれます。私より玲緒のが頭弱いでしょ!」


「俺巻き込むなよっ」


「ああっ!待って!ここに並んで」


もう一歩で校門を通るというとき、1人の声に4人の足が止まった。


「は!?(4人)」


振り返ると、一歩後ろで半分すねながら戻れ戻れと手で招いている。


「小学校からやってるでしょ。初めの一歩はみんなで踏もうよ」