その日の晩、俺は安田のことをサクに相談しようと思って電話した。 「安田がな、保健室の先生が好きなんだってさ」 「東子ちゃん?」 「そ、それで放課後保健室に行ったって訳」 「そうだったんだ。ルイ、ごめんね」 「俺も気を付けるな?」 サクは一人であの部屋でいつも何をしているんだろうか。 身寄りがなくて、どうやって生活してる? 疑問はいくつもある。 でもなんだか触ってはいけない気がして。 臆病だな、俺って。 サクのほうがよっぽど強い。