「さあ、もう着くよ。忘れ物しないでね」

「はあーい」


あたしは周りを見渡して、忘れ物が無いことを確認するとシートベルトを外した。


「ありがとうございました」
「はいよ。コレ、お釣り」

おじさんは520円をあたしの手にのせた。


「ありがとうございますっ」

「頑張るんだよ〜」

「はーい」


あたしはタクシーが走り出すのを見送ると、希望を胸に新居へと歩き出した。