階段から足音が聞こえてくる。 「あれ?まだ荷物入れ終わってないんですか? ……手伝いますよ」 男の人の声? ……まさか。 「あんたが千嶋茅斗?」 あたしはその男の人に詰め寄った。 「そうだけど……。 何か、用?」 気怠そうに髪をかきながら、千嶋茅斗はそう答えた。