好きなんて言わないよ

「いいの?村上君
あみの事好きだと思うけど」

「えっ?好きなの?あみのこと」

「さぁーね」
美沙子が教室に入る。

「さぁーねって、おい美沙子。」

美沙子は教室から廊下の窓に
顔を出して言った。

「勘よ、勘。
うちの勘は鋭いの。
さぁ帰った帰った。
先生そろそろ来るわよ。」

「お、おう。じゃあ。」
達也はC組へ戻った。

“村上君、
あみのこと好きだと思うけど”

達也の頭の中で、
美沙子の言葉がずっと回っていた。