好きなんて言わないよ

“あみと話してる奴、誰だ?”

達也はA組を覗いてあみを見つけたが
村上君と楽しそうに話すあみを見て
教室に入れないでいた。

「何かいい感じじゃない?
あの二人。」

廊下から覗いていた達也の後ろから
美沙子が達也に話し掛けた。

「びっくりさせんなよ。
おい美沙子、あいつ誰だ?」

「気になるんだ」
美沙子が達也を冷やかす。

「別に、ただ聞いただけだよ」
達也は美沙子に言った。

「野球部の村上君。
真面目で優しくて女子からモテモテ。
達也君、気をつけないとあみ
とられちゃうかもね。」

「ばーか、とられるって
別にあみと俺は関係ないし」