現状を一言で表すとしたら――考えなくても浮かぶ。暇、だ。

欠伸が込み上げてくるが、堪える気力など湧いて来ない。

まなじりに涙が滲んだところで、口と鼻を開けっぴろげにしている自分の顔が斜めにある鏡に映って少し慌てるが、すぐに恥じらう必要も無い事を思い出した。

周りに人がいないのだ。

もしこの風景に音を付けるのなら、九分九厘「ガラーン」だな。


曇りの正午のこの倦怠感は結構堪える。