「だったら、智代っちも、お店の方に出ればいいのに」 あたしがそう言うと、智代っちは慌ててお箸を持った右手をブンブン振った。 「とんでもないです! 私、人前に出るのは苦手で。 だから、事務職を希望して採用していただいたんです。 お店になんてとても出られません」 「ふうん」 本人がそう言うんじゃしょうがないか。 あたしだったら、一人でお昼とか、絶対無理だけど。