婚約者☆未満


「だったら、智代っちも、お店の方に出ればいいのに」


あたしがそう言うと、智代っちは慌ててお箸を持った右手をブンブン振った。


「とんでもないです!
私、人前に出るのは苦手で。
だから、事務職を希望して採用していただいたんです。
お店になんてとても出られません」


「ふうん」


本人がそう言うんじゃしょうがないか。


あたしだったら、一人でお昼とか、絶対無理だけど。