「あ、あの、時間がないことですし、始めましょう」 そう言われてしまっては、あたしもそれ以上は強く言えず、 しかたなく、智代っちと一緒に在庫の確認を始めることにした。 智代っちは、自分が持っていたデータの束の半分を私によこした。 しかし、一緒に仕事をやり始めてすぐに気がついた。 智代っちは喋るのも遅いけど、仕事も遅い。 なんというか、すごく効率の悪いやり方をするのだ。