「お、お、お嬢様。 や、安永智代(ヤスナガトモヨ)です。 よ、よろしくお願いします」 お辞儀をする安永さんに、あたしも「よろしく」とこたえた。 お互いの挨拶が済むと、貝塚さんは申し訳なさそうにあたしの方を向いて言った。 「では、私は接客がありますので店の方に戻りますが、何かありましたらいつでもおっしゃって下さい」 あたしが頷くと、貝塚さんは安永さんに「よろしくね」と声をかけ、倉庫を出て行った。 あたしは安永さんに向き直って聞いた。 「で? 何をやればいいわけ?」