デスクに座った倉本さんが手を差し出してきた。 「じゃ、もらおうか。 俺に書類を持ってきたんだろ?」 くぅ~、悔しい! でも、そのとおりだから仕方ない。 あたしは茶封筒を手渡した。 「ご苦労だったな」 半分笑いながら言われ、あたしは怒りと恥ずかしさで顔が熱くなった。 でも、ちゃんとお使いの務めを果たさないと。 「明日届ける予定だった資料が早めに揃ったそうです」 「そうか。 そうとわかっていれば、社長室にも寄ったんだがな」