「支店長よ」 あたしはさらっとそう答えた。 うん、我ながら合格。 いい女風に決められたんじゃない? ところが、前を歩いていた倉本さんはピタリと足を止めた。 「は?誰だって?」 あたしは、目の前に立ちはだかった倉本さんを見上げた。 聞こえなかった? 「だーかーらー、支店長のかいづ……」 「あ、支店長、お疲れ様です!」 は?