楽しいと時間はあっという間に過ぎる。 笑いすぎて出てきた涙を指先でぬぐっていたら、車が駐車場に入っていった。 どうやらもう横浜支店の駐車場に着いたらしい。 バックするとき、倉本さんは後方確認しながら片手でハンドルを操作した。 まくったYシャツの袖から見える腕の筋肉がなんだか色っぽくてドキッとする。 あたしは思わず、そこから目をそらした。 パパとも兄貴とも違う。 大人の男って感じ。 今まで何人の女性が倉本さんの運転する車の助手席に乗ったんだろう? そう考えたら、チクッと胸の奥が痛んだ。