あたしは手に持った茶封筒を掲げて見せた。 「ああ、でしたら、私が持っていきましょうか?」 あたしは倉本さんの申し出に戸惑った。 しまった! この人に預けちゃったら、コピー取り、サボれないじゃん。 「ううん、だめなの。 これは大事な書類だから、ちゃんとあたしが責任もって届けないと。 パパに必ず相手に手渡すようにって頼まれたの」 パパはそうとまでは言わなかったけど、でも、あたしが頼まれたことには違いない。