あたしはそう言ってパパの大きな革の椅子にもたれかかった。 パパは笑いながら、机に広げていた書類や写真を茶封筒にしまった。 「じゃあ、ちょっとお使いにでも行ってくるか? 事務所にこもってるより、気晴らしになるんじゃないか?」 願ってもない申し出だった。 一日中、事務所でコピー取りばかりさせられたんじゃ、息がつまっちゃう。 「うん、行く!」 二つ返事でOKしたあたしに、パパは茶封筒を差し出した。 「じゃあ、これを横浜支店の支店長に届けてくれ」