あたしがそう言うと、パパは壁の時計をちらっと見上げた。 「まだ10時にもならないぞ? ママに叱られないか?」 「でも、疲れちゃったあ」 あたしがそう言うと、パパは眉を八の字にして笑った。 「礼奈は、働くのは初めてだもんな。 下では何をやってるんだ?」 「コピーとか、シュレッダーとか」 「ああ、事務所の手伝いか」 「うん。 でもつまんなくて~」