「ほら、見てっ! 夕日がすっごくきれい!」 「ああ」 俺たちは向かい合わせにゴンドラに乗って、景色を眺めていた。 たしかにちょうど日が暮れる間際で、空が美しく色づいている。 「あ、レインボーブリッジ! ねえ、向こうのってディズニーランドのシンデレラ城じゃない?」 「そうみたいだな」 俺は、はしゃぐ礼奈の指差す方を見て頷いた。 ゴンドラはなおも高く上っていく。 そして、上がるにつれて風当たりが強くなるのか、思いのほかゴンドラは大きく揺れ始めた。