「気に入ったんだろ? よく似合ってた」 Tシャツを入れてもらった袋をかざしてそう言うと、礼奈は唇をとがらせながら上目遣いに俺を見た。 「もうっ、まだ他にも見たいのあったのに! でも……ありがと」 ったく。 相変わらず素直じゃないな。 礼が言いたいなら「ありがと」だけでいいじゃないか。 ってか、もういい加減、買い物に付き合うのは疲れた。 まだ他にも見たかっただと? 勘弁してくれ。 「そろそろ夕飯にするぞ」 有無を言わさず、目に入ったレストランへ礼奈を連れ込むことにしたのだが――