俺はその姿を斜め後ろから眺めた。 ほら、よく似合ってる。 礼奈はスタイルがいいし、センスもいいから、たいてい似合うのを選ぶ。 だから、『いいじゃないか』って言ってるんだ。 見ていると、表情が明るい。 気に入ったんだろう。 「ほら、貸せよ」 「えっ!?」 戸惑う礼奈からTシャツを奪い、レジへ。 「ちょっ、伊織!」 さっさと会計を済ませて礼奈の手を引き、店の外へ連れ出した。