すると、信号待ちで止まっていた伊織は、あたしの方に腕を伸ばしヘッドロックしてきた。
「んな趣味、ねーよ!
むしろ逆だ。
制服のおまえとスーツの俺が一緒に歩いてたら、援交にしか見えねーだろうが!」
「ちょっ、痛い、放してよ!」
青に変わった信号に助けられ、解放されたあたしはこめかみをさすりながら言った。
「そんなの!
ひとにどう見られたっていいじゃない。
何を着てたって、あたしはあたしだもん!」
すると、伊織は意外そうに言った。
「ほお、ずいぶん自信満々だな?」
「べ、べっつに~!」
あたしは伊織から目をそらしてそう答えたけど。


