その時、あたしはファミレスに入ってきた客を見た。 あたしにつられて、ゆかりと江里花も入り口に視線を向けた。 背の高い、スーツ姿の男性。 あたしが手を上げて合図すると、すぐに気がついて頷いてくれた。 伊織だ。 「えーーーっ!」 「あれ、もしかして……!?」 驚いているゆかりと江里花の横を通ってあたしの前に立った伊織は、ゆかりたちに会釈した。 「友達か?」 伊織に聞かれて頷き、あたしは二人を紹介した。 「ゆかりと江里花。 こっちは今話してた彼氏の伊織」