婚約者☆未満


伊織はあたしの頬に手を触れ、目を細めた。


「いや。
言ったろ?
俺はおまえを気に入ったって」



伊織はあたしをじっと見つめ、指先であたしの唇をなぞった。


力強い視線と唇に感じる感触に、思わずビクッと体が震える。



「俺はおまえを手放す気はない。
ただ、少しなら待ってやると言っただけだ」


「そ、そんなっ……」



なんて勝手な言い分!


あたしの意思は無視?