伊織はあたしの頬に手を触れ、目を細めた。 「いや。 言ったろ? 俺はおまえを気に入ったって」 伊織はあたしをじっと見つめ、指先であたしの唇をなぞった。 力強い視線と唇に感じる感触に、思わずビクッと体が震える。 「俺はおまえを手放す気はない。 ただ、少しなら待ってやると言っただけだ」 「そ、そんなっ……」 なんて勝手な言い分! あたしの意思は無視?