婚約者☆未満


そういえば、ママはそんなこと一言も言ってなかったっけ。


てっきり、強制的に結婚させられるんだと思ってた。


でも、あたしの思い込みだったんだ。


あたしはなんだか肩の荷が下りたような気持ちだった。



伊織は話を続けた。


「おまえが嫌なら卒業してすぐに結婚することはない。
自分のしたい勉強でも仕事でもやったらいい」


そっか。


「じゃあ、あなたとあたしは婚約者でもなんでもないってこと?」


あたしは振り返って伊織と向き合い、伊織の顔を見上げた。