ちょ、ちょっと! あたしが顔を上げてにらむと、伊織は真剣な表情であたしを見た。 「何があった?」 至近距離で見る伊織の顔は、いつもどおり完璧。 抱きしめられて、目の前に伊織の端正な顔があって、 つい、おとといベッドに押し倒されたときのことを思い出して、ドキドキした。 でも、今日はエッチな感じじゃない。 本気であたしのこと心配してくれてるみたい…… ………… あたしは観念した。 「わかったから放してよ」