「おい、大丈夫か?」 シャワーから出て、冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲んでいると、伊織に声をかけられた。 あたしは顔を上げて伊織を見た。 「べつに……」 伊織は今日もパソコンに向かって仕事をしていた。 灰皿には煙を立ち上らせているタバコが置いてあった。 あたしはキッチンを出てベッドルームに向かおうとした。 でも、立ち上がってきた伊織に進路をはばまれた。 あたしは目の前に立った伊織を見上げた。 「なに?」