マンションに戻ると、あたしは伊織に言われたように早めにベッドに入った。 でも、体調が悪いわけじゃないし、ベッドに入ってもなかなか眠れなかった。 かえって目がさえちゃって、暗い中でいろんなことが次々頭に浮かんだ。 あたしって、ほんとダメだな、とか、 智代っちを見かけで判断しててサイテー、とか。 智代っち、本当はすごく優秀だったんだなあ。 あんな膨大な量のドレスや着物のことをほとんど暗記してるなんてすごすぎだよ。 あたしには絶対無理。 学校の成績だってよくないし。 他にとりえもないし……