「あー、じゃあ、あたし、忘れ物取りに来ただけだから行くね。 また明日ね~」 うらめしげにあたしを見送る親友二人を残して、あたしはケータイを取ると、道場に戻った。 あたしだって、考えないわけじゃない。 王子は脈がないってわかってる。 だって、王子はあたしだけじゃなく、女子全員に興味がないんだもん。 あんなにモテるのに、中学の時からずっと特定の彼女は作らなかった。