だめだめっ! このままじゃ流されちゃう! あたしは自分の中に残ってる理性をかき集めて伊織を突き飛ばした。 「やめてっ!」 同時にベッドから転がり出る。 ベッドの脇に立ち、ドアを指差した。 「出てって!」 あたしが叫ぶと、ベッドに座りこんでいた伊織は「やれやれ」と立ち上がった。 伊織はドアノブに手をかけると、あたしを振り返った。 「その気がないなら誘いに来るな。 早く寝ろ」